傷つく脳

http://www.jcp.or.jp/akahata/week/index.html
http://www.kumamoto-u.ac.jp/seeds/seeds/63000042/index.html
医学薬学研究部 環境生命学 小児発達社会学分野
助教授・友田 明美
URL:http://web.mac.com/akemitomoda/iWeb/Welcome/Home.html

虐待は身体的な傷と苦しみのほか、子どもの発達過程の“こころ”に取り返しのつかない傷を与える。

子どもの脳は身体的な経験を通して発達していきます。この決定的に重要な“敏感期”に虐待を受けると、激しいストレスの衝撃が脳の構造や機能に消すことの出来ない傷を刻みつけます。子ども時代に虐待を経験した人は、健康な人と比べ、脳波異常が高率であり、脳の容積も減少、主に記憶や感情を制御する領域がうまく発達できなくなっていた。
残虐な性的虐待を繰り返し受けてきた子どもたちが、その出来事を“見ない”ように“適応した”表れではないか、と友田准教授は話しています。

なかったことにすれば生きていけるでしょうか。子ども時代に虐待を受けた影響は、人生のあらゆる時期にさまざまな形となって表れてきます。怒りと絶望から、うつ状態に陥ったり、ひどく不安になったり。自殺を考え、自分を傷つけ、薬物やアルコールを乱用することも多いそうです。
90年代にはこれらは心理的なものから生じると信じられてきました。だから、辛い体験に打ち勝つように患者を支えれば“治せる傷”であるとされていました。
しかし、脳への影響を研究した結果は、その期間が長いほど脳の容積が減少すると報告されました。

私は人の名前がなかなか覚えられないけれど、意外に深刻だったのかしら。