陸に上がった軍艦

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自らの戦争体験をリアルに描く映画

海軍での私的制裁被害などの体験を弱兵の目線でとらえ、戦争の不条理さを描くドキュメンタリー・ドラマ。

「陸に上がった軍艦」28日公開

原作・脚本・証言 映画監督 新藤兼人 1912年4月 広島生まれ95歳 

…将来戦争なんかしたら地球は滅びると思うんですけど、戦争をやると仮定しますと、号令をかける人はどこか安全な場所にいるわけ。…僕が死んでしまったら証言する人は無いから、僕が証言するしかないんです。…天理教予科練が来るので、そこの掃除をするわけですね。それが百人なんです。一ヶ月して掃除が終わって、くじを引く。自分たちが引くわけじゃない、誰かが引いてくれるわけなんですね。そのうちの60人がフィリピンに行きました。
くじに当たって、フィリピンまで行くことになり、奥さんから来た葉書を見せてくれたんです。そのはがきには「今日はお祭りですが、あなたがいらしゃらないので、何の風情もございません」というような葉書ですね。…幸運にも6人残ったわけなんです。しかし、94人の戦死者の犠牲の上に残っているんでしょ。その人たちと僕がどのくらい違うかっていうと、くじだけなんですよね。
…何か94人のことも話しておかなきゃいけないんじゃないか、というのが、今度の作品にいたる私の考え方ですね。

「老人たちは憲法9条のことばかりを一生懸命にやっている、だから上手くいかない」こんな話を耳にするけれど、9条を守れという人の声はどうイメージされているのだろうか。戦争体験者の信念を避けるべきではないと思う。