イタリアの教育制度


月刊誌『海外子女教育2006年6月号』より

ファッションの都 
 
 北海道の稚内とほぼ同緯度にあるミラノは、北イタリア、ロンバルディア州の州都で、ローマに次ぐイタリア第2の都市である。人口約140万人、ヨーロッパ有数の都市の1つでもあるこの街は、日本では特に観光、ファッションの面で知られているが、同時に工業、商業、金融等イタリア経済の中心地としての役割も果たしている。イタリアの大企業の多くは本社をミラノに置き、日系企業も大半がミラノとその周辺に進出している。
 ここ数年移民が急激に増え、アラブ人街やチャイナタウンの出現等、ミラノも多国籍都市としてその様子を変えつつあるところである。


現地の教育環境

 ここ数年、おもに現地での国際結婚家庭の子どもが増え続け、その影響で本校も7割の児童生徒が現地校に通学している。
 現地校は小学校の5年間と中学校の3年間が義務教育で、その後高等学校五年(文科系、理科系、語学専門、芸術専門等)、そして大学へと続く。これらの学校のほとんどは国立で、義務教育では授業料が無料、高校や大学でも経済的負担は小さい。
 日本と違う点は義務教育期間でも留年制度があること、また高校卒業時点で全国統一の国家試験があり、これに合格しないと卒業資格(同時に大学への入学資格となる)が得られない点などである。
 現地校のほかにミラノには全日制日本人学校もある。またインターナショナルスクール、アメリカンスクール、ブリティッシュスクールなどの英語で授業が行われている国際学校があるので、帰国後日本で就学する場合はこれらの学校を選択することもできる。