被爆ピアノ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20080716/CK2008071602000149.htmlより、

【神奈川】広島の被爆ピアノで演奏会 平和の大切さ考えて
東京新聞 2008年7月16日

 広島で被爆したピアノを使ったコンサートが二十、二十一の両日、横浜市栄区神奈川区で開かれる。被爆ピアノを修理した広島市の調律師矢川光則さんを招いて話を聞き、原爆被害の重みと平和の大切さをあらためて考える。(松平徳裕)
 ピアノは一九四五年八月六日、爆心地から一・八キロの民家で被爆した。ガラス破片が突き刺さった傷あとがまざまざと残る。矢川さんが分解して修理し、部品の大半はそのままで二〇〇五年から全国で演奏会を開いている。
 矢川さんの活動を知った「栄区九条の会」と「かながわ九条の会準備会」が、矢川さんに連絡を取って、コンサートが実現する運びとなった。ピアニストによる演奏、公募者による体験演奏のほか、絵本「ミサコの被爆ピアノ」(松谷みよ子作)の朗読が行われる。
 神奈川区のコンサートでは絵本朗読の際、準備会メンバーのバイオリン指導者前田みどりさん(52)が絵本に触発されて作曲したピアノ曲もBGMで演奏される。
 前田さんは「絵本のラストにある『みんなに伝えてね 戦争のおそろしさを 悲しみを』というメッセージをイメージして作曲しました。実際に被爆した楽器を見たり触れたりすることで、現実にあったことなんだと認識してもらう助けになれば」と話している。
 コンサートの入場料はいずれもピアノの運搬料などに充てられる。二十日は、午後三時から栄公会堂(栄区桂町)で、入場料八百円(先着六十人、要予約)。申し込みは奥田さん=(電)045(892)2893=へ。
 二十一日は、午前十一時と午後二時の二回(各回七十人)、横浜長老教会(神奈川区桐畑)で。参加協力券は高校生以上千円、小中学生五百円。申し込みは前田さん=(電)045(421)6650=へ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20080719/CK2008071902000140.html

【神奈川】
表現の自由』危機訴え 「立川反戦ビラ配布」「横浜事件」テーマ
2008年7月19日

 戦時中最大の言論弾圧とされる「横浜事件」と、自衛隊イラク派遣への反対ビラを配った市民団体メンバーが住居侵入罪に問われた「立川反戦ビラ配布事件」をテーマに、表現の自由の危機を訴える集会が二十日、東京都文京区本郷四の文京区民センターで開かれる。

 「横浜事件」では、戦時中に雑誌編集者ら約六十人が「共産主義を宣伝した」などとして治安維持法違反容疑で次々と逮捕され、拷問で四人が獄死、三十数人が有罪判決を受けた。二〇〇五年に再審が開始され、遺族らが無罪を求めたが、有罪・無罪を判断せず裁判を終わらせる「免訴」とした判決が今年三月、最高裁で確定した。

 「立川反戦ビラ配布事件」では、市民団体「立川自衛隊監視テント村」の三人が、防衛庁(当時)宿舎の新聞受けに自衛隊イラク派遣に反対するビラを許可なく入れたとして、〇四年二月に住居侵入容疑で逮捕。一審は無罪だったが東京高裁は罰金刑を言い渡し、今年四月、最高裁で罰金刑が確定した。

 集会は、時を超えた二つの事件が「言論弾圧の水脈」でつながっている、との観点で開かれる。横浜事件の請求人だった木村まきさんや、立川反戦ビラ配布事件の被告だった大西一平さんが裁判の経緯を振り返り、小田中聡樹・東北大名誉教授(刑事訴訟法)が「言論弾圧と司法の戦争責任−そして現代」と題して講演する。

 集会は午後二時からで、資料代は六百円。問い合わせは「横浜事件の再審を実現しよう!全国ネットワーク」=(電)03(3452)5758=または、立川反戦ビラ弾圧救援会=(電)042(525)9036=へ。