緊急提言

http://survival.org/映像ドキュメント研究会より引用

緊急提言

 「国民投票法案」の極めて憂慮すべき問題点

 「有権者の5人に1人が支持すれば、
   憲法改正が可能な国民投票法案は許せない」

 現政権は、「憲法は古くなったから変える」とか「九条は現実に合わなくなったから変 える」とか言っていますが、「現実が変わったから」と言って、何がどのように変わったのか 一切を説明することなく、あたかも自然現象のように世界情勢を語ることに対して、私た ちは、もっと懐疑的でなければなりません。

 日本国憲法の基本精神は、平和主義(戦争放棄)と民主主義(自由・人権)です。 憲法改正は、この基本精神を補強するためにこそ行うべきことで、壊すためにすること ではありません。

 いま憲法九条を変えることは、平和主義のみならず、それに続く基本 的人権を抑圧することに通じます。 これは現在の憲法ジームを変えることですから、 「革命」ということになります。

 そこで、憲法を変えるなら、憲法に従ってやるべきで、九六条で3分の2の議員の発議 により国民の過半数で改正すればよいのです。

 改正案には有権者数か総投票数か有効 投票数のいずれを母数とするかは記載されていませんが、憲法改正のような国民にとって 極めて重要で且つ決定的な意味を持つ事柄については、有権者過半数とするというの が民主国家の常識ではないでしょうか。

 こうしたまっとうな、至極まっとうな議論が、改正論者には大変な障壁と映っているのです。与党が提案する「国民投票法案」(民主党も妥協し賛意)はこのうち、憲法改正に最も賛成票が少なくて済む、「有効投票総数の過半数(50%)」と定めています。

 仮に投票率を40%とすると、20%で憲法改正が成立することになります。この中には必ず「無効票」が含まれますから、5人に1人の意志で、憲法は変えられることになります。

 与党案は、 九六条をまず骨抜きにし、次ぎに九条をも骨抜きにしようとしているのです。 多くの国では、こうした不平等なことが起きないように、国民投票において最低投票率を定めたり、有効投票ではなく「投票総数」としていたり、またその両方をさだめるなどしています。

 さあ、みなさんこんな無体なことが起ころうとしているのです。過去の戦争の惨禍を忘れず、未来の破滅を避けるために、今日、何をするか真剣に考えて下さい。今やらなければならな いことは、明日ではもう遅いのです。

 暗い世界にたたずんで、「一体あなた方は、あのとき何をしていたのですか」と、まだ見ぬ未来の人びとに問われないためにも、声を上げ、手を挙 げ、足を動かし、九条を守るために立ち上がりましょう。

 これは、人を殺めず、人に殺められず、九条に守られて生きてきた日本人に課せられた務め であり、私たちにとっての「精神的冒険」でもあるのです。

 世界に誇るべき日本の平和憲法の輪は広がりつつあります。ラモレス・ボリビア大統領は、2007年3月6日に日本の平和憲法を念頭にボリビアでも「戦争の放棄」を憲法改正で掲げたと表明しました。

 平和憲法を持つ日本は http://www.worldpublicopinion.org/ のアンケート調査
でも「世界で最も良い影響を与えている国」の1位に選ばれています。

 世界に誇ることができる日本の平和憲法を人類の平和のために広げましょう。

                   文責:映像ドキュメント研究会