利益は株主へ、下級労働に来ないカネ

株式投資を優遇する税制、株にはリスクがあるから優遇されてあたりまえという考えがある。また企業が税金を納めた後の配分なので株主への配当金にまで税金をかけるのは二重取りだと言い、株で得た利益には税金をゼロにするべきとアメリカ型経済成長至上主義者の意見がある。
日本全体の利益の3分の1は10社、2分の1は30社で稼いでいる。それらは海外で稼ぐ大企業だ。利益が働く貧困層に分配されることなく株主への配当として支払われている。また、利益の大半は国内への設備投資ではなく海外の工場に投資しているのを見ると、利益は軒沿いの樋を流れていってしまうようなものだ。
大企業への優遇税制を見直しバブル以前の状態に戻さなければ福祉や教育への予算が削られる一方だ。財源確保が貧困層を苦しめる税制になっていることに私たち下級労働者は反発するべきと思う。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-04-12/ftp20070412faq12_01_0.html
2007年4月12日(木)「しんぶん赤旗

企業減税の額はどれくらい?

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 〈問い〉 大企業・大資産家への減税額について、以前は「1兆円規模」といっていたのが、志位委員長の予算委員会の質問では「1兆7000億円」となっていましたが、なぜですか?(兵庫・一読者)

 〈答え〉 これは未発表だった政府のデータが最近発表されたことによるものです。

 まず、企業減税については、減価償却制度の見直しによる減税額ですが、1月19日に閣議決定された政府の要綱によれば、平年度ベースの減税額は5110億円となっています。ただし、これは国税法人税だけで、地方税を含めると7361億円となります。

 もう一つの大資産家への減税は、証券優遇税制の1年延長ですが、この減税規模について政府は「単なる延長で制度の新設ではない」とか「1年も先の株価は予想できないから試算できない」などといって、なかなか減税見積もり額を示しませんでした。このため、2003年に、この優遇税制が創設された時の政府の減税見積もり額(1470億円)と、その後、株式配当や譲渡所得が3倍くらいに増えていることから、4000億円程度の減税は確実であると推計しました。志位委員長の代表質問では、前述の大企業減税とあわせて「1兆円規模」と指摘したのです。

 その後、証券優遇税制については、06年度補正予算の税収見積もりのデータが公表されました。この見積もりに記載されている数字をもとに推計すると、この時点での減税額が1兆円近い減税額になっていることが判明しました。政府は、07年度も06年度補正後と横並びの税収を見積もっており、07年度も1兆円規模の減税が続きます。株価その他の条件が変化しなければ、優遇税制が延長された08年度も、この減税が続くことになります。

 この証券優遇税制と、前述の減価償却制度の見直しをあわせると、約1兆7000億円の減税という計算です。そこで、志位委員長の予算委員会の質問では、この数字をあげました。

 証券優遇税制については、政府も大門実紀史参議院議員の質問に対して、源泉徴収分だけでも7500億円の減税となることを認めました(3月12日)。政府が試算していない「申告分」を含めると、1兆円近い額になることは明らかです。

 1兆7000億円の減税というのは、まさに、庶民から吸い上げる定率減税廃止分を、そっくりそのまま大企業と大資産家にばらまくということになります。

 この新しく判明した数字を使って、おおいに宣伝していく必要があると思っています。(垣)

 〔2007・4・12(木)〕

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-02-24/2007022402_03_0.html 

2007年2月24日(土)「しんぶん赤旗

公明党はなぜ「増税戦犯」とよばれるのか

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 公明新聞二十三日付は、「『増税戦犯』は共産党が意図的につくり出した笑止千万のデマ」などという「編集メモ」を掲載しました。

言いだしっぺ

 「増税戦犯」という指摘は、一般紙が言い出した言葉です。東京新聞(二〇〇四年十二月十六日付)は、〇五年度予算での税制協議で「協議をぶちこわしたと自民党から宣伝される」ことより、「増税の戦犯となる」ことを選んだてん末を紹介しました。その記事でも、「うちが言いだしっぺだから」(公明党メンバー)と発言しているように、自ら自覚していた「増税戦犯」を、いまさら「デマ宣伝」といっても選挙目当ての言い訳にすぎません。

 公明党は〇三年総選挙での「マニフェスト」(政権公約)で「基礎年金の国庫負担割合の段階的引き上げ」を「理由」に、「所得税定率減税及び年金課税の見直し」を掲げ、定率減税の廃止という増税と年金増税を提案したのです。総選挙後、自民党公明党に同調して、与党の「税制改正大綱」に盛り込まれ、翌年の国会には増税法案提出に至りました。

 〇四年の国会では年金生活者への課税を緩和する「公的年金等控除」縮小、「老年者控除」の廃止が決められ、年金は一円も増えないのに税金だけが増えることになりました。

 〇五年には「住民税の高齢者の非課税措置」(所得が百二十五万円以下)を廃止。また、所得税・住民税の定率減税を半減。〇六年には全廃しました。

 昨年六月、多くの高齢者が納税通知書をみて驚いたのは、〇四年の二つの年金課税が実施されたからです。しかも、住民税額と連動して決められる国民健康保険料や介護保険料もこれらの増税によって連動して増額。「雪だるま増税」という事態を引き起こし、庶民の悲鳴につながったのです。

 公明党は、こうした大増税路線を政党として一番初めに言いだしたのですから、「増税戦犯」といわれるのは当然です。

 「編集メモ」は、こうした「増税戦犯」ぶりを反省するどころか、「定率減税をただ廃止するのではなく国民に還元する道筋をつけた」と居直っています。しかし、増税の方はすべて実施されたのに、「国民への還元」と主張する基礎年金の国庫負担は〇七年度予算案を含めてもまだ五千億円しか増えていません。「不足」は消費税増税でという議論さえ強まりを見せています。

大企業は減税

 「編集メモ」は、庶民増税に一貫して反対してきた日本共産党に対し、「最後まで定率減税法案に大反対した」などと「難クセ」をつけています。しかし、定率減税は定額方式という特別減税に代わるものとして導入されましたが、定額方式に比べると、中低所得者では逆に増税になる仕組みでした。しかも、所得税最高税率引き下げという金持ち減税と大企業優遇の法人税減税と抱き合わせでした。これに、日本共産党が反対したのは当然のことでした。

 逆に、定率減税の方は廃止しておきながら、企業減税・金持ち減税はそのまま温存する公明党の姿勢こそ大問題です。(K)


【関連記事】

的外れな共産党の「増税戦犯」のデマ(公明新聞:2007年2月23日付)
http://www.komei.or.jp/news/daily/2007/0223_08.html

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070523AT3S2202D22052007.html
成長施策に5000億円、政府戦略大綱07年度原案
 安倍晋三政権の経済成長路線を推進する総合的な対策を盛った2007年度の「経済成長戦略大綱」の原案が明らかになった。技術革新を通じて国際競争力を強化するという基本政策を維持しながら、7月の参院選をにらみ中小企業や地域の再生にも配慮する内容。政府は政策実現に向け、08年度に前年度から2000億円を上積みした5000億円規模の特別予算を設定する方向で調整に入った。

 甘利明経済産業相が28日の経済財政諮問会議に提出する。政府が6月にまとめる「骨太方針2007」の核にする。経済成長戦略大綱は昨年、日本経済が2015年度までに年平均2.2%の成長を実現するために策定され、今回は1年ごとの見直しの第1弾。(07:02)