賃金

「国際競争力」と労働生産性の関連については、日本経済新聞の経済教室欄に、注目すべき論文が掲載されました。根津利三郎氏(富士通総研専務)の論文「十分ある賃上げ余地」です(「日経」〇七年三月二十六日付)。

 根津氏は、「『厳しい国際競争に勝つためには、賃金は抑制すべきだ』という議論は誤りだ」と明快に主張します。その根拠は、近隣のアジア諸国とくらべて日本の労働生産性はひじょうに高いことに加え、この四、五年で、さらに生産性が上昇しているために、「国際競争力を考えても、全体としては二%程度の賃上げの余地はある」としています。そして、早めに賃金を引き上げて内需主導型の成長に転換しないならば、日本経済は、急激な円高に見舞われるだろうと警告しています。

 根津氏の賃金引き上げ論は、かねてより財界が主張してきた「生産性基準原理賃金」論の枠組みを前提としており、われわれの賃金論の立場とは異なります。しかし、異常な「国際競争力=賃金抑制」論は、財界自身の賃金論の立場からみても、理論的に成り立たないことを示しています。

支払われるべき賃金は周り回って株主の懐へ流れるのよね。

税金が雪だるま式に増えている今日この頃、才能があったら転職したいけどな〜。