教科書問題

◆教科書調査官制度の歴史
1956年に導入された。当時、自民党は事実上の国定化を狙う教科書法案を国会に提出。廃案になったが、文部省はすでに組んでしまった予算の執行という形で、調査官設置を強行した。このような制度設置の始まり方を見ても自民党による教育への介入、政権の意向を教科書に盛り込もうという意図を感じる。

◆日本史の調査官
主任調査官:照沼康孝氏、日本史担当:村瀬信一氏、この2名は伊藤隆(東大名誉教授)の教え子で、伊藤隆名誉教授は扶桑社『新しい歴史教科書』執筆者・監修者、「改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有志の会」に参加している。

◆教科書調査官の問題点
・中立・公正ではない人物がなぜ教科書調査官になったのか。
・国家公務員のような採用試験がなく、大学の助手、助教授などから文科省が任命する。
・調査官OB、学会関係者、教科書検定調査審議会の委員などから推薦で(個人の口利きで)採用する。

教科書調査官は文科省の常勤職員で、58人置かれている。