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http://www.rengo-news.co.jp/news/kiji/071120.htm
【071120】急速に広がる若者の貧困/就職連絡会が全国交流集会/職場や地方の実情を報告

 日本高等学校教職員組合などでつくる「高校・大学生、青年の雇用と働くルールを求める連絡会」(就職連絡会)は十一月十七日、東京で「若者に広がる貧困」というテーマの全国交流集会を開いた。若者を使い捨てにする職場、仕事のない地方の実情などが報告された。
 「若者の間で貧困が急速に広がっている」。こう切り出した首都圏青年ユニオンの河添誠書記長は同労組に最近寄せられた労働相談の事例を紹介。「安全に金を借りる方法はないか」との相談や、企業の採用面接に行くために使った三百円の交通費を取り戻したいとの訴えもあったと述べた。
 ヘアメイク大手「アッシュ」で未払い残業代の支払いなどを求めてユニオンを結成した青年は、「一日十六時間労働が当たり前。毎日終電の帰宅で、週一、二回はネットカフェに泊っている。子どものころに思い描いた夢とは正反対な世界」と述べた。体調を崩して退職する人が多く、意見を言えば簡単に解雇にされるなど、「人材がぽい捨てにされている」と指摘。「だれかが声を上げなければならない。解決に向けて頑張る」と決意を語った。
 青森で若者の雇用の改善に取り組む「青年雇用あおもりnet」の代表は、就職難が深刻な青森の若者が派遣や請負会社の労働力の供給源となっていると報告。就職した卒業生の追跡調査を行った京都府の高校教員は、十六人のうち十三人が二年半で離職したとし、背景に長時間労働など過酷な労働があると分析した。

各地で力強い取り組み
 日本青年団協議会は、教育訓練のための有給休暇を保障するILO百四十号条約の批准を求めていることや、若者を対象にインターネットによる労働相談を始急速に広がる若者の貧困就職連絡会がめたことを報告した。
 山梨青年ユニオンは「労働相談を受け団体交渉に挑戦した。会社と交渉できる労働組合の力を実感した」と語った。松下プラズマディスプレイ偽装請負を告発した吉岡力さんは控訴審への支援を訴えた。
 全労働はハローワークの職員が毎年削減される一方、行政による職業紹介事業に民間企業を導入する規制緩和が強められていると報告。「参入を求めているのは非正規労働者の活用を大企業に売り込む人材ビジネスだ。セーフティネットが根本から破壊される」と警鐘を鳴らした。
 生活困窮者を支援するNPO自立生活サポートセンターもやい湯浅誠事務局長は講演の中で「企業や家族からの支援を受けられなくなった現代の若者たちが貧困な暮らしを余儀なくされている。社会保障や安心して働けるルール作りなど、社会的セーフティネットの拡充が必要」と強調した。
「連合通信・隔日版」