都教育委員会、区立中での夜間塾に待った 

  「都教委包囲首都圏ネットワーク
では、先週(17日)に続き、今週(24日)も、杉並区の「夜間塾」に反対のビラを都庁前で撒きましたが、1月26日、区教委と業者の癒着を都教委も容認し、教育の機会均等の否定、格差拡大、教育の民営化、公共施設の営利事業化などに大きく道を開く、杉並区の「夜間塾」がスタートしました。

これにより、日本の教育における格差はさらに拡大され、一部のエリート養成のために、日本の公教育は教育産業の市場争奪の場と化していくでしょう。教育はさらに荒廃し、癒着、賄賂はさらに広がるでしょう。
まさに弱肉強食社会の到来です。

ところで、近く(2月2日〜4日)、日教組の「全国教研」が開かれます。

しかし、日教組中央は1995年から、現場組合員の大きな反対にもかかわらず、文部省(現文部科学省)とのパートナー路線を歩むことになりました。

その後、1999年には「日の丸・君が代」の法制化が起き、2006年には「教育基本法」も改悪され、2007年には「教育三法」も改悪されました。
愛国心」「差別・選別」教育が段階を画して進むことになりました。
にもかかわらず、日教組中央はパートナー路線を改めようとはしません。

そうした中、今年の全国教研に東京教組「秋の教研集会」各分科会で代表レポートとして選出された3本のレポートに対し、日教組中央は「不当な修正削除」を求め、「応じなければ提出を認めない」と言ってきました。これら3本は「君が代」処分に関するものでした。
しかし、「君が代」問題は、この間、東京だけではなく、神奈川、北海道、大阪、北九州などの問題も、商業新聞でも取り上げられいます。
また、これまで2000年の国立二小問題、昨年の東大和での国旗注目問題などもレポートで出されています。

東京教組はこれに対し、最近、原状回復を求める決議を採択しました。
その中には次のようなことも書いてあります。

「従来、日教組は文言整理などについて修正を求めることはあっても、こうした内容にまで介入することはなかった。今回初めて、『修正・削除に応じなければ、レポート提出を認めない』という『修正・削除の強制』をごり押ししてきた。
これはあたかも文科省による教科書の修正を思い起こさせるやり方であり、組合民主主義を踏みにじり、
破壊する行為である。こうした不当なレポートへの介入がまかり通ってしまえば、今後、全国教研自体、また各都道府県教組による教研集会などの変質につながっていくことは必至である。」

まさに、日教組中央のパートナー路線の行き着く先です。

ところで、こうした日教組中央の路線転換に対して、2001年の金沢教研以来これまで8回、路線転換に反対する全国の日教組の仲間や市民が全国教研に合わせて「自主教研」を開いてきました。

今年(9回目)も以下の要領で行われますが、その中では、「教研レポート拒否問題」も扱うことになりました。

・2月2日(土)18:00〜
・渋谷区立勤労福祉会館にて
 電話03-3462-2511
・資料代500円

「自主教研」は「2・10総決起集会」の
前になりますが、こちらにも是非ご参加下さい。

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<集会名>
『「日の丸・君が代」強制反対!処分撤回!2・10総決起集会』

<日時>2008年2月10日(日)  開場13:00 開会13:30 終了1
6:30

<場所>東京都・中野ゼロホール(JR中野駅下車徒歩8分)

<参加費>500円

<主催>「都教委包囲首都圏ネットワーク
      
<集会内容>
 ・沖縄教科書問題の報告
 ・連帯の挨拶
 ・勝利した労働争議からの報告
 ・解雇・処分撤回を求める裁判闘争の報告
 ・卒・入学式に向けた闘いの決意表明
  (根津さん・河原井さん他、東京、全国からも)
 ・行動提起(都庁前ハンスト・座り込みなども考えています)
 ・全体決議、特別決議(解雇問題)の採択
 
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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
  http://kenken.cscblog.jp/

リクルート出身者が校長を務める東京都杉並区立和田中学校が、大手進学塾と連携した有料の夜間塾を行う計画を立てていることに対し、東京都教育委員会は7日、「機会均等の確保面などから疑義がある」として、再考を求めるよう区教委に指導した。

同校は、地域住民らで構成する地域本部が主催する形で、進学塾「SAPIX」の講師を迎えた塾を9日から校内で行うことを計画。希望する2年生が対象で、平日夜に数学と国語を学ぶ週3日コース、土曜朝の英語も加えた週4日コースなどを企画し、月謝は1万8000―2万4000円に設定。同校教諭は教材開発面で携わる。

これに対し都教委は、▽費用の負担は、義務教育の機会均等の確保の点から疑義がある▽特定の私塾に運営させるのは公立学校の公共性・非営利性に反する恐れがある▽私企業の教材開発に教員が関与するのは、兼業・兼職の適正な手続き面で疑義がある―と指摘した。

区教委は「計画自体は実現させる」とした上で、開講日を今月下旬に延期し、都教委や区議会などへの説明を徹底するとしている。
        



藤原校長のリーダーシップ
実際の世の中に起こっている事柄を子供達に討論させ、考える「よのなか」科の授業
おちこぼれをなくすための土曜寺子屋の開設
英語アドベンチャーコース
4学期制の導入
45分授業32コマ
OECDの学力国際比較PISA対応の授業の工夫
学校と地域連携、ボランティアとの連携(教師志望学生など)

和田中学校では、いわゆる「落ちこぼれ」の生徒には、放課後や土曜日を使った補習を行うことで対応してきたことで実績が上がってきている。しかし、逆に成績のよい「ふきこぼれ」生徒にはほとんど対応できず、この点で粒のそろった私立中学校には対抗できない。そこで、成績のよい生徒向けに、和田中学校を支える地域本部と民間の進学塾「SAPIX(サピックス)」と連携して、進学目的の夜間塾(夜スペ)をおこないたい。私立校に行かなくてもすむ受験サポートを行うことで、都立の進学重点校、私立の中上位校を狙う夜スペとしたい。学校主催ではないが、和田校長始め教員もそのプログラムつくりには参加し支援する。このことについては教員もみな賛成している。民間進学塾「サピックス」との連携であるが、サピックスが利潤を受けることはなく、学校も塾も互いに学びあうことができ互いの刺激となる。学校ー塾の対立関係をやめ、がっぷりと四つに組むことで教育効果が上がるかのチャレンジ。試行錯誤だ。このことは文科省の方針でもあり、そのための予算もつき始めている。「教育再生」はむしろ学校を中心とした「地域社会再生」からだ。杉並区では小学卒業の3分の1が私立中学へ進学している。この流れにも対抗しなければならない。

東京都教育委員会からの指摘

義務教育の公平性の確保に疑義がある
特定の進学塾との関係
公務員の兼務・兼職を認めない原則から外れている

石原東京都知事による「(夜間塾は)いいことじゃないか、チャレンジしたらいい」で確実に実施に移されるらしい。



http://www.wadachu.info/data/report_from_Finland_0709.pdf