本日(5月18日)の朝日新聞「声」 若い世代欄

生徒に対する管理が強まっている中で、教育で大切なことを指摘しているように思います。

討論で知った新鮮な発想力
高校生 樋口智則(千葉県船橋市 17)

 私の学校の生徒会行事として「ティーチイン」が開催された。校内の宿泊施設に参加者が集まり、宿泊し、討論するという行事だ。
 「血液型や貧富などで人間を分類する」ことの是非も討論されたが、この行事を通して感じたことがある。それは、私たち高校生がそれぞれ違った世界観を持ち、それぞれの価値観に応じた反応を示す、ということである。
 この特徴、大人は希薄ではないか。2年の時、生徒会長をやり、校内外の大人と話す機会もあって、そんな疑問が浮かんだ。大人は経験を得る代わりに多くの先入観を得てしまい、新鮮な意見を失ってしまいがちと思う。ティーチインでは、発言者のほかは、誰も考えも及ばないような意見がかなり頻繁に出て、すごいと感心した。
 現在、いじめなど教育現場のトラブルは、教職員(大人)のみで対策を講じる傾向にある。大人は結論をまとめることを意識しすぎて、広い視野から解決策を見いだすことができるだろうか。私たちにもそういった議論に参加する機会を設けてほしいと思った。