現場のそれぞれの立場、教科、生徒会、進路指導部、多様な立場が保護者や地域社会と関係があります。それらの全体が何に向かっていこうとするのかはとても重要だと思います。


自分の所属校では農業科がありましたが、近隣に農業科高校を新設したときにその関係の教員も生徒も移転したので今はありません。
また、田舎から都会の学校に希望する生徒が多いため、入学者数が定員に満たないほどの最底辺校です。
(少し紹介しますね)http://www.chiba-c.ed.jp/amaha-h/
 3年前から6コース制を始めて、ビジネス、食物、被服、デザイン、情報、文系、理系の7種類の教育課程があります。
 入学したての頃は元気がなかったり、中学時代にいじめで鬱だった子、不安定な状況に呑まれて意欲が乏しかった子でも、それぞれが目指すコースを決める時期になると自己主張が出来るようになってそれぞれが自覚して学校に来ているように見えます。

学習指導要領改定の度に芸術・家庭科など受験科目と縁のない教科が削られたりする。
特に減ってしまったのが芸術4教科のうちの工芸科目です。
工芸も芸術教科として学校教育にといった教育運動が実を結んで1968年の学習指導要領から高校の芸術科目に工芸科が加わった。
自分は工芸の採用試験を受けてこの職に就いたが、最初の赴任先には工芸教室としての設備はなく、「社会化教室」「多目的室」(今年から工芸科を開講しますという職場には3回赴任したことになる。)初めての赴任先で設備の改善要求をしたとき「工芸なんてどうせなくなる教科だ(設備なんて無駄になる)」と言われたときのショックと悔しさは何と言ったらよいのやら…ですわ。
 で、色々勉強してみたら芸術教育運動というものを知り、芸術が学校教育に取り入れられた歴史を学んだり、特に工芸はバウハウス運動の精神をもった社会運動の一つとして重要であることが分かり、芸術4科を残すことが自分の使命の様だった。

そのバウハウスの精神が込められた工芸の教科書は前回の教科書改訂で「廃棄処分とする」…激しい右傾の教科書に変わってしまった。(個々にとって身近なものを取り上げるのではなく伝統的で立派な日本の美を知れ…そんな感じの頂点同調主義教科書に変わったわけで、表紙は日の丸型…嫌がらせかと思ったものです。)

受験の役に立ちそうもない芸術を重視してほしいというのが私の意見です。
以前は3年間を通して、合計6単位だったのが2単位に、しかも、芸術をやらない中学まででてきた。
こんなふうに芸術教育の軽視は世の中の流れから仕方がないと諦めた頃から学校教育の歪みがひどくなった感じです。

私は今ある音楽・書道・美術・工芸の他に演劇という科目が出来てもよいのではと以前から思っています。
芸術教科は受験に役立たなくても、心を豊かにするために役立つでしょう?
選択ではなくすべて必修にして、これら5科目で展開するのがいいと思うわ。
そして毎日何かの芸術に接する機会があればいいのになぁ〜。1日6時間授業のうち1時間が芸術表現ならバランスのとれた精神を保てるんじゃないかしら。
現実は芸術・家庭科などの小さな教科が隅っこに追いやられて、専任ではなく講師に移行しつつあるわけで、高校は受験予備校に化けてたりするでしょ?息抜きができなくて苦しそうよ。
また、何かの芸術表現を毎日体験させれば、いじめが減るに決まってるゎと空想しています。