「君が代」不起立者氏名収集 

神奈川県個人情報保護審「不適」と答申20080118しんぶん赤旗(15)

 神奈川県下の高等学校や養護学校など県立学校の入学式などで、「君が代」斉唱時に起立しなかった教職員の氏名を県教育委員会が収集している問題について、県個人情報保護審議会(兼子仁会長)は17日夜の審議で答申をまとめ、収集を行うことは「不適」との見解を示しました。
 「君が代」不起立の教職員リストづくりについては、昨年10月24日、高校の教職員からの異議申し立てを受けて県個人情報保護審査会(矢口俊昭会長)が、県教委が収集した情報は県個人情報保護条例で原則取扱い禁止とされている思想信条に該当するとの判断を示す答申を出しました。今回の審議会答申はこれに続くものです。
 同答申は、不起立について、憲法19条に定める「思想及び良心の自由」の保障と深く関係していると指摘し、「氏名収集の正当性及び必要性を積極的に認め諮問内容を適当とする答申を行うことは、なし難い」と結論付けました。ただし、「最終的にいかなる職権行使をするかは、実施機関である県教委に条例上委ねられている」としています。
 県教委は、氏名情報の収集を正当化するため、県個人情報保護条例第6条のただし書きなどを根拠に同審議会に諮問していましたが、認められませんでした。

http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiijan0801154/
君が代斉唱不起立教職員、氏名収集は「不適当」/県個人情報保護審議会答申案
政治・行政 2008/01/11  県教育委員会が県立高校の卒業式などで君が代斉唱時に起立しなかった教職員の氏名を収集する妥当性について、県個人情報保護審議会(会長・兼子仁東京都立大学名誉教授)は県教委の諮問は不適当として収集を認めない答申案をまとめたことが十日、分かった。十七日の審議会を経て同日にも成案化される見通し。

 昨年十月に県個人情報保護審査会が「思想信条に該当する」として氏名収集の停止を求めた答申に続き、同審議会でも同様の結論が出る見込み。

 同審議会の答申案では、憲法一九条の思想良心の自由の保障と深く関係する問題と位置付けた上で、審査会答申などから「(氏名収集の)正当性、必要性を積極的に認める答申を出すのは難しい」と結論付けている。

 一方、今後の県教委の対応については「最終的にいかなる職権行使をするかは、県教委に委ねられていると条例上解される」と明記。県個人情報保護条例上、同審議会の意見を聞いた上でも、行政が正当な事務事業の実施に必要があると認めた場合には収集は妨げられないと解釈した。しかし、諮問を不適当と判断した審議会の答申に反して事業が継続された前例はない。

 氏名収集問題をめぐっては、審査会答申後も県教委は収集継続の方針を変えず、昨年十月、同条例上で認められた例外収集の可否について審議会に諮問していた。

神奈川心の自由裁判をすすめる会http://www.geocities.jp/kanagawa_kokoro/kiroku.htm#korekara